トムソンサイエンティフィックが知財戦略向け統合情報サービス

特許情報・非特許文書の双方を網羅、アジア特許のフルテキスト強化

 2008.05.01−トムソンサイエンティフィック(トムソン・ロイターのサイエンティフィック事業部門)は、企業における知的財産の研究と分析を支援する包括的な情報サービスとして、「Thomson Innovation」(トムソンイノベーション)を6月から国内で提供開始する。世界中の特許情報と、学術文献などの非特許文書の両方を幅広くカバーしており、利用者は知的財産およびビジネス戦略に関する優れた判断を行うための情報とツールを入手することができる。当面は英語版での提供だが、今秋には日本語のユーザーインターフェースを用意する計画。

 トムソンイノベーションは、特許情報サービスの「ダウエントワールドパテントインデックス」(DWPI)を中心に、知的財産に関連する多彩なコンテンツをパッケージ化したもの。近年では、企業の持つ物理的な資産よりも特許や商標などの無形資産の重要性が高まっているが、とくに特許に関しては、中国や韓国などのアジア特許が急速に伸びているほか、米国特許においても国内非居住者の特許出願の方が大きく増える傾向にある。さらに、特許文書の増加率は年3−4%であるのに対し、非特許文書は10%を超える伸びをみせている。非特許文書の増加は全業種にわたってみられるが、なかでも化学、電子・ハイテク、医薬・ヘルス分野で顕著だということだ。

 そこで、トムソンイノベーションでは、DWPIのコンテンツを強化し、アジア特許のフルテキスト情報を盛り込むとともに、トムソングループの持つ広範囲なコンテンツを統合し、包括的なサービスを実現した。米国および英国で昨年12月からサービス開始しており、「顧客のイノベーションを加速し、リスクを低減させる」、「顧客の競合優位性を向上させる」、「顧客のR&D投資から最大の効果を引き出す」−の3つのゴールを達成するようにデザインされている。実際に、同社の1,500社の顧客の要望を取り入れて製品化した。

 具体的には、アジア特許を強化したDWPIのコンテンツのほか、学術文献・会議情報として「Web of Science」(9,200ジャーナルの文献を収録)、「Current Contents Connect」(学際的な速報情報源)、「ISI Proceedings」(年間1,200会議の情報をカバー)、「Inspec」(科学工学文献を収録する書誌情報サービス)、ビジネス情報として「Thomson Gale Group Company Information」(企業情報)、「Thomson Gale TableBase」(マーケット情報)、「Gale Group New Product Announcements / Plus」(製品情報)、「Dialog NewsRoom」(ニュース)、「Gale Group Research Centers and Services Directory」(研究情報)−を利用できる。

 企業の知財管理部門、法務部門、研究開発部門、ビジネス開発部門、IT部門など幅広い組織の業務に役立ち、発明の新規性と特許性の調査、特許侵害に関する調査、他社からのライセンシングの判断、技術開発状況の追跡、成長マーケットの特定、競合他社のトレンド分析、共同研究・共同開発の機会の発見−といった作業の生産性を高めてくれる。

 トムソンイノベーションのサービス料金は個別見積もりになるが、基本的に特許情報をコアにして、必要なコンテンツを選択していく形式になる。