富士通九州システムエンジニアリングがADMEデータベース最新バージョン12

ヒトと動物の薬物動態データ追加、データ件数4万8,000件に

 2008.09.27−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、ADME(吸収・分布・代謝・排出)データベースのオンラインサービスを機能強化し、10月1日からバージョン12として提供開始する。今回のバージョンアップでは、ヒトとラットを中心に約2,000件の薬物動態データを追加し、内容をさらに充実させた。総データ件数は4万8,000件を超える大規模なデータベースとなる。年間利用料金は、一般向け157万5,000円から、教育機関向け52万5,000円から。1年間に新たに30契約を見込んでいる。

 このデータベースは、薬物動態研究の第一人者であるクロアチアのレンディック教授(ザグレブ大学)らが収集しまとめたもので、教授による特記事項が付されており、データの特徴をつかみやすくなっている。

 ヒトの主要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450を中心に、トランスポーターたん白質、フラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO)などの最新情報を収録。簡単なキーワード選択による検索と、複雑な条件を入力しての検索が可能で、薬物とその代謝物に関しては部分構造・類似構造検索も行える。

 データベース内の薬物代謝データをもとに、薬の副作用を起こす可能性がある組み合わせを探る「薬物相互作用候補検索」機能も備えている。

 新薬開発で動物実験の結果を人間に応用するためには、ヒトと動物の薬物吸収率や代謝の違いが重要な要素になる。今回の最新版では、そうした比較を行うためのデータを充実させたので、種差の違いによる研究にさらに踏み込むことが可能になったという。