2008年冬CCS特集:アフィニティサイエンス

CCS関連ラインアップ拡充、高速DFT計算環境で実績

 2008.12.04−アフィニティサイエンスは、海外のユニークな技術系ソフトを紹介しているが、CCS関連でもウィーン工科大学で開発された密度汎関数法ソフト「WIEN2k」、オーストリアのインテル・リガンド社のファーマコフォアモデリングソフト「LigandScout」とファーマコフォアデータベース、伊タレッタのディスクリプター計算ツール「DRAGON」とモデル構築ツール「MobyDigs」、イスラエルのシナジックス社の化学教育ソフト「モレキュラーコンセプター」など、ラインアップを広げている。

 とくに、評価が高いのがWIEN2k。これは、密度汎関数法(DFT)をベースにした固体の電子構造計算プログラムで、世界で1,400以上の導入実績がある。高精度なバンド構造計算が可能で、平面波法に局在軌道を拡張したAPW+lo法を採用していることが特徴となっている。K点分割およびMPI方式での並列処理に対応しているなど、高速な計算機環境をフルに活用できる。

 競合製品よりも大幅に低価格で、一般向けで約90万円、教育機関は約8万円でサイトライセンスを取得できるため、多くの引き合いが寄せられている。

 ただ、UNIX/Linux向けのソースコードでの提供であるためにインストールの敷居が高い。また、並列化手法の調整にも若干の専門知識が必要とされる。そこで、同社ではコンサルテーションなどのサービスを含めたかたちでの販売に力を入れている。マルチコア/マルチプロセッサーやPCクラスター環境で利用したいという注文も多いことから、ハードベンダーとのアライアンスも検討中だという。

 そのほかの製品では、統計解析ソフトの「Aabel」がバージョンアップされた。MacOSX上で利用できる多機能型の探索的データ解析ソフトで、240種類以上の科学グラフ・主題地図作成機能を持つ。いろいろな用途で活用できる汎用的なソフトだが、情報化学分野での応用も図りたいとしている。