2008年冬CCS特集:コンフレックス

計算化学サポート事業で実績、自社ソフト機能強化も着々

 2008.12.04−コンフレックスは、自社製品である配座探索ソフト「CONFLEX」の機能強化に引き続き取り組むとともに、計算化学分野の標準的なプログラムとして多用される非経験的分子軌道法ソフト「Gaussian」(米ガウシアン)や分子動力学法ソフト「AMBER」(米カリフォルニア大学)などに関する専門的なサポートやトレーニングを提供。国内の計算化学の底上げに貢献してきている。

 とくに、Gaussianに関しては、次期バージョンのリリースに備えてスタッフを増員するなどサポート体制を強化中。大学向けにオンサイトで実習形式のトレーニング(10〜30人規模)を行って好評を博しており、最近では企業向けの実績も増えてきた。計算化学に対する専門的な知識があり、日本語できちんとサポートできるということで、評判を呼んでいるようだ。

 AMBERに関しても同様だが、昨年から本格的に開始した「GAMESS」に対するサポートも徐々に口コミで広がってきているという。フリーの分子軌道法ソフトであり、純正のGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)がないために敷居が高く、適当な学習書も見当たらないという問題があった。ただ、フラグメント分子軌道計算(FMO)に対応しているなど、一部でユニークな機能が注目されている。GAMESSのサポートは他ではほとんど手がけるところがないため、引き続きサービス体制を維持していく考え。

 一方、自社製品のCONFLEXについては、順調に機能強化を実施してきている。年内に予定しているリビジョンアップでは、Gaussianの専用GUIソフトであるGaussViewとの双方向の連携を実現。 GaussViewが出力したMOLファイルをCONFLEXで読み込めるようになる。さらに、来年リリース予定の次期バージョン7では、新しい独自の力場を導入するほか、マルチコアプロセッサーを生かした並列計算にも対応させる。

 国内ユーザーの間では、CONFLEXで発生させた配座をもとに、GaussianやGAMESSで量子化学計算を実行するという一連の手順が定着しつつある。同社では、こうした使い方を海外にも広げていきたい考え。このため、毎回参加している米国化学会(ACS)に加えて、今年は9月にシドニーで行われたWATOCに初出展した。こうした活動を通じ、CONFLEXの知名度は海外でも高まってきているようだ。