2008年冬CCS特集:エルエイシステムズ

NMR関連で製品ライン拡大、自動測定システムでも実績

 2008.12.04−エルエイシステムズ(LAS)は、核磁気共鳴(NMR)関連のソフトからハードまで幅広く展開。ラインアップを広げつつ、多様化するユーザーニーズへの対応を図っている。

 ソフトウエアでは、理化学研究所で開発された統合管理型NMRデータ解析ソフト「KUJIRA」の民間向け販売権を昨年10月に取得したが、引き続きプロモーション活動に力を入れている。たん白質立体構造の決定を大幅に高速化することができる。

 また、米国立衛生研究所(NIH)が開発したNMRデータ処理ソフト「NMRPipe」、チューリヒ連邦工科大学のピーター・ギュンタルト教授らが開発したたん白質構造計算ソフト「CYANA」は長年にわたる販売実績があり、ビジネス的には順調に推移している。KUJIRAとの連携による統合ソリューションとしての提供にも取り組んでいく。

 そのほか、使いやすさとビジュアルを重視した解析初心者向けの「Mnova」(スペイン・メステルラボ)、産業技術総合研究所で開発された天然物NMRデータベース「CH-NMR-NP」にも弾みがついてきている。

 一方、ハードウエア関係では、米プロタシスの高速NMR自動測定システムの実績が出始めている。測定結果を自動的に取得してデータベース化するソフトをLAS側で開発して組み合わせたシステムとして受注したケースもある。とくに医薬分野では、ハイスループットでの化合物の自動合成、自動分析、データベース化と、一連のプロセスを効率化したい要求が強い。このため、同社ではプロタシスの測定結果をデータベース化するソフトをパッケージ化することも検討している。

 それに加え、今年の10月から新たに米AVIVバイオメディカル製品の販売も開始。これは、超遠心分離機の蛍光測定装置で、分子の結合を蛍光強度で調べられるので、通常の吸収・反射での測定よりも高感度が得られる。また、光学異性体の分析に用いる円二色分光計も提供している。