FQSがADMEデータベースサービスバージョン13を提供

プロドラッグ関連代謝酵素情報を追加、総データ数が5万5,000件に拡大

 2008.12.27−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は26日、ADME(吸収・分布・代謝・排出)関連のデータベース(DB)サービスを更新し、来年1月5日からバージョン13として提供開始すると発表した。インターネット経由で利用できるASP(アプリケーションサービスプロバイダー)形式のサービスで、今回はプロドラッグの代謝活性化過程で主要な役割を担っている代謝酵素の薬物動態に関連するデータが新規に追加された。利用料金は年間契約で、企業および国立研究機関向けの全DBパックが157万5,000円、同じく教育機関向けは52万5,000円。1年間に30契約を販売目標としている。

 同社の「ADMEデータベース」は、薬物動態研究の専門家であるクロアチアのレンディック教授らのグループが開発しているDBを利用したもので、ヒトの薬物動態関連たん白質および薬物のデータを文献調査により収集して収録している。ヒトの主要な薬物代謝酵素であるチトクロームP450を中心に、トータルの情報量は約5万5,000件に増えた。

 簡単なキーワード検索のほか、部分構造や類似構造で薬物やその代謝物を絞り込むことができる。また、薬物代謝データをもとに、副作用を起こす可能性がある薬の組み合わせを検索することも可能。

 今回新たに追加されたのは、プロドラッグの代謝過程で働くカルボン酸エステル加水分解酵素に関するデータ。プロドラッグは、体内で代謝されることによって薬効を発現する分子構造に変化するように工夫された薬で、効果的なドラッグデリバリーシステム(DDS)として注目されているという。