NECがプロセス業向けERP 「FlexProcess」を機能強化

源流からの品質管理実現、不良原因・影響追跡など迅速に対応

 2008.10.07−NECは6日、食品・化学などのプロセス産業向けERP(エンタープライズリソースプランニング)パッケージ「FlexProcess」(フレックスプロセス)を機能強化し、原料や工程も含めた品質管理を可能にする新モジュールを製品化し販売開始したと発表した。安全・安心に対する消費者の意識が高まるなか、得意先への品質開示や問題発生時のクレーム原因・影響追跡の迅速化をシステムとして実現することができる。ERPと連動しているので生産現場だけにとどまらず、経営の観点で“みえる化”できることが特徴。今後3年間で50社への導入を目指す。

 FlexProcessは、約330社の導入実績を持つNEC独自のERPパッケージで、業務テンプレート「F1ソリューションズ」を適用することにより、システム構築期間を大きく短縮することが可能。今年2月から提供している生産管理モジュールに続くテンプレート第2弾が今回の品質管理モジュールとなっている。

 とくに、従来の製品完成時の品質検査に加え、原料検査、工程分析などの管理機能を加えることにより、原料調達から生産工程、製品出荷までの一貫した品質のコントロールを実現。源流からの品質のつくり込みが可能になるとともに、品質不良発生時の原因の追跡・特定が容易になる。

 プロセス産業特有の品質管理の要求にきめ細かく対応しており、液体や粒子などの形状が一定でない製品や品質基準に幅のある製品などでも、合格基準にグレードを設けることによってうまく判定が行えるようにした。また、同一の製品でも、顧客ごとに異なる検査基準を適用することが可能となっている。

 ERPとの統合により、品質検査結果を在庫データや出荷データに即時に反映させられるので、問題発生時に生産中止・出荷停止などの経営判断を迅速に下すことができる。すべてのデータが一元化されるため、全社レベルで品質の実態を把握できるというメリットもある。

 ソフトウエアのライセンス価格は、ERPとしてのコア部分が575万円から、F1品質管理モジュールは150万円。同社は発売に先立ってプレマーケティングを実施してきており、すでに導入を決めているユーザーもある。食品業界のほか、樹脂・塗料・接着剤などの企業も高い関心を示しているという。