PTCジャパンが日本市場だけの中堅市場向けCADパッケージ

パートナー販売拡大の戦略商品に、CAD/CAM基本機能にフォーカス

 2009.01.09−PTCジャパンは、2009年の重点戦略として中堅・中小市場向けチャネル販売を拡大する方針を打ち出した。組織面でパートナー支援体制を強化するとともに、製品面では代理店販売に限定した3次元CADシステムの新パッケージ「Pro/ENGINEERファウンデーションエッセンシャルエディション」を日本市場向けに製品化し、5日から販売開始した。続けて2月には製品ライフサイクル管理を実現する「Windchill」の中堅・中小ユーザー向けパッケージの投入を計画するなど、積極的に攻勢をかけていく。

 PTCは、ワールドワイドで2008年に14%成長を記録したが、とくに代理店経由のチャネル販売が39%成長と高い伸びを示している。全社では、2011年に総売上の35%をチャネル販売で占めるまでに拡大させる計画。これにともない、日本市場でもチャネル販売を重点的に伸ばす方針を固めた。

 このため、パートナー営業を統括するバイスプレジデントを新たに任命したほか、営業技術部門にもパートナー担当の専任者を増員。米国で行っているパートナープログラムを日本でも順次導入していくことにした。

 また、パートナー経由の販売に特化した日本市場だけの特別パッケージを用意した。この「Pro/ENGINEERファウンデーションエッセンシャルエディション」(ファウンデーションEE)は、同社の3次元CAD/CAM/CAEシステムのエントリーパッケージである「同ファウンデーションエクステンデッドエディション」(ファウンデーションXE)から中堅・中小ユーザーがあまり必要としない一部機能を取り除いた製品。ライセンス価格を約9%、保守費用を約29%引き下げている。実際のライセンス価格は89万8,000円。今年の6月末までの期間限定商品となるが、反響しだいでは延長もあり得るということだ。

 Pro/ENGINEERは、基本の3次元CAD/CAM機能を充実させたファウンデーションEE、ファウンデーションXE、製品データ管理(PDM)を統合したアドバンスドスタンダードエディション(アドバンスドSE)、アドバンスドXE、コラボレーションやCAE機能を組み込んだハイエンドのエンタープライズSE、エンタープライズXE−までのラインアップが揃っている。今回のファウンデーションEEはローエンド製品ではあるが、アップグレードパスが保証されていることが大きな特徴だという。

 具体的に、ファウンデーションEEの機能はファウンデーションXEとほぼ同じで、部品モデリングからパラメトリックサーフェス、アセンブリー、図面、板金、機構チェック、レンダリング、標準的なインターフェースまで、基本的な機能を完備。XEの最新版(2月下旬リリース)に組み込まれる新機能である“マネキンライト”、“CAEライト”、“CAMライト”も含まれている。

 マネキンライトは、製品モデルに人体モデルを組み合わせることができる機能。CAEライトは、設計者が手軽にシミュレーション解析を行えるようにするツールで、静的な構造解析のための一連の機能を備えている。CAMライトは、2.5軸加工のフィーチャーベースCAMシステムで、わかりやすい操作で加工の自動化を行うことが可能。