2009年夏CCS特集:オープンアイ・サイエンティフィックソフトウエア

日本法人設立で直販へ移行、国内ユーザーとの対話を重視

 2009.06.24−米オープンアイ・サイエンティフィックソフトウエアは、昨年10月に日本法人を設立。ソフトのライセンス価格も世界共通となり、技術サポート面も大きく向上した。薬物分子設計のためのアプリケーションとツールキットに特化したベンダーで、欧米で好評のユーザー会を2010年に日本でも開催する計画を進めている。

 同社は代理店を通じた販売方式を転換し、米国からの直接販売・直接サポートを行う体制に切り替えた。日本法人はこれを支援するのが役割となっている。国内のユーザーや科学者と直接の対話を促進したいというのが目的で、今年は米国の技術スタッフの来日の機会・人数をこれまで以上に増やす予定だ。また、本社には日本人科学者も採用されているため、日本語での専門的な質問にもレスポンス良く答えることが可能となっている。

 製品面では、化合物のコンホメーションを迅速に生成する「OMEGA」、分子形状を比較する「ROCS」、静電ポテンシャルを比較する「EON」などを駆使してライブラリーをデザインしたり、ドッキングソフトの「FRED」でスクリーニングしたりすることが主な活用方法。そのほかにも、より活性を高めるために置換基を構造展開し、バイオアイソスター(生物学的等価体)を予測する「BROOD」などのユニークなソフトが揃っている。

 さらに、アプリケーションに組み込み可能なプログラムライブラリーとしてのツールキットも豊富に用意されているが、なかでもコア製品の「OEChem」は欧米で高い実績を誇る。国内でもPythonなどでプログラミングする研究者が増えてきたため、欧米並みに普及させることを目指し、重点的な取り組みを進めたいとしている。

 また、「Lexichem」は化合物のIUPAC名と構造式を相互変換するためのツールキット。化合物名は日本語・英語を含む7ヵ国語に対応していることがユニークで、ユーザーの関心が高まっているという。