CCS特集:ニューラルネットワーク

ライトウェル

 1992.06.17−ライトウェルは、米国ヘクトニールセン・ニューロコンピュータ社(HNC)と提携している。同社は住友重機械工業100%出資のソフトウエア子会社。この3社の関係は1990年5月にニューラルネットに関して技術提携を行ったときから始まっており、1年後の1991年5月にはリンゴの傷の発見と等級判定のための画像認識装置の共同開発に成功した。昨年11月からは正式にライトウェルが国内総代理店として契約を結び、HNC製品を日本語化して販売しており、こうした3社の協力体制が充実したユーザーサポートにもつながっている。

 HNC社のニューラルネットシステムはマイクロソフトのウィンドウズ環境に完全対応しており、オブジェクト指向で画面上のアイコンをクリックするだけで誰でも簡単に使えるのが特徴。ウィンドウズが使える国内のパソコン全機種での動作を確認済みだが、DOS/VあるいはAXパソコンについてはニューラルネットの学習・実行を加速する専用演算ボード「Balboa860」を装着できる。これはRISC(縮小命令セットコンピューター)プロセッサーのi860を利用したもので、学習時に9メガCUPS(1メガCUPSは毎秒100万結合をアップデート)、実行時に25メガCUPSの処理速度を発揮する。価格は315万4,000円。

 シミュレーターの名称は「ExploreNet3000」(44万5,000円)で、モジュール化された9種類の機能をもっている。各機能はアイコンで表わされており、ユーザーは画面上に必要なアイコンを並べて結び付けるだけで、アプリケーションを構築することができる。また「KnowledgeNet3000」(34万7,000円)を利用すれば、学習した結果を意味的に解析可能。これまでブラックボックスだったニューラルネット内の相関関係を明らかにできる。

 同社では、これらツール類だけでなく、アプリケーションの販売にも力を入れており、このほどその第一弾として「知的データベースワークステーション」を上市した。とくに数値分析を中心とした市場予測、動向分析、予信審査などに適している。ニューラルネットと統計処理手法をミックスしたもので、多元的なデータを自己判断してモデル化までを自動で行ってくれるので、ニューラルネットの知識は一切不用。