フジシステムリソースがコンピュードラッグ製品をリースで提供

代謝予測と毒性予測機能をハード・ソフト込みで販売

 1992.09.02−フジシステムリソース(本社・東京都新宿区、青田俊郎社長)はこのほど、ハンガリーのソフト会社、コンピュードラッグ社の化合物代謝予測・毒性予測システムの機能強化版を新発売するとともに、ソフトとハードをセットにしたシステム販売に乗り出した。コンピュードラッグ製品は任意の化合物の代謝物質を予測する「MetabolExpert」、毒性予測の「HazardExpert」など、研究活動を支援するための幅広いツール群をもつが、ソフト価格が350万円と、パソコンソフトとしては比較的高額だった。このため、同社では最新のパソコンとセットにしたリース販売を行い、安価に導入できるようにしたもの。IBM-PCの互換機で動作し、月額リース料は10万9,400円。

 「MetabolExpert」と「HazardExpert」は、知識ベースを利用したエキスパートシステムで、このほどMetabolはバージョン9.2に、Hazardはバージョン1.2に機能強化された。知識ベースを大幅に拡充するとともに、さまざまな新機能が追加されており、実用性が格段に増したという。ユーザー自身の知識ベースも内蔵できるようになった。

 MetabolExpertは構造式を入力することにより、代謝経路を予測し、可能性のあるあらゆる代謝物のリストを出力するソフト。知識ベースの中には500以上の代謝ツリー、また信頼性の高い代謝理論が含まれている。

 HazardExpertも同様に構造式から代謝物を予測し(アルゴリズムはMetabolの前バージョンのもの)、それぞれについての毒性を評価することができる。新規化合物を開発する際、実際の動物実験などを行う前にコンピューター上でスクリーニングができるので、実験のコスト削減と研究期間の短縮に役立つ。

 知識ベースの拡充により、突然変異や奇形発生についてより正確な予測が可能なほか、二つの異なる形質転換知識ベースによりほ乳動物と植物でのそれぞれの代謝をシミュレーションできるようになった。とくに増感効果や免疫毒性効果をともなう毒性セグメントの予測に有効で、なかでも抗菌性化合物の発見に貢献するという。

 今回新たに開始するシステム販売では、i486DX2(50MHz)、8MBメモリー、200MBハードディスクを装備した最新IBM互換機と組み合わせて提供する。