1998年春CCS特集:菱化システム
最新製品MOEが好調、強力なSVL開発環境
1998.03.20−菱化システムでは、昨年11月から本格的に紹介をはじめた加ケミカルコンピューティンググループ(CCG)の「MOE」の出足が好調で、この3月末までに5社からの受注をあげるなど、早くも着実に実績を築きつつある。
MOEは、米国でも昨年4月に発表されたばかりの新システム。その最大の特徴は、CCG独自のプログラミング言語“SVL”(サイエンティフィック・ベクター・ランゲージ)の存在で、MOEはSVLを核としたシステム体系そのものをあらわすとともに、それに基づくCCS製品群の総称ともなっている。
いわば、MOEはCCSの開発および実行環境であり、ユーザーはSVLを使って自分独自のプログラムを作成したり、公開されたプログラミングインターフェースを使って既存のソフトをMOEに統合したりすることが可能になる。しかも、MOEはSVLソースコードをダイレクトにコンパイルしながら実行させる機能を持つ。まるでJavaのようだが、このためSVLで書かれたプログラムは、まったく移植することなくどんなハードの上でも走らせることができる。
実際、UNIXやWindows95/NT、マッキントッシュで動作しているほか、超並列コンピューターやスーパーコンへの対応も容易。こうしたプラットホーム非依存性はまさにJavaを思わせる。
遺伝子やたん白質の解析、医薬品設計など豊富に揃ったアプリケーションモジュールも含めてすべてがソースコードで提供されるのも大きなメリットだ。