1998年春CCS特集：ソニー・テクトロニクス

OMG製品中心に全方位に展開、システム間の統合も進展

　1998.03.20−ソニー・テクトロニクスは、欧州の最大手ベンダーである英オックスフォードモレキュラーグループ（OMG）の国内総代理店であり、パソコンで利用できる本格的なクライアント／サーバー型の分子モデリングシステム「CACheファミリー」をはじめとする多彩な製品群を提供している。

　とくに、OMGはモデリング／シミュレーション、情報化学／データベース、バイオインフォマティックスのCCSの3分野をすべてカバーする製品ラインアップを整えており、ソニー・テクトロニクスでは情報化学の「RSキューブ」で富士通と、バイオインフォマティックス製品では帝人システムテクノロジーなどとのパートナーシップのもとに事業を展開。着々と実績を築いている。

　主力のCACheファミリーでは、Windows版を積極的に拡販していく。米クレイ・リサーチが開発した分子軌道法統合システム「UniChem」との連携が可能で、密度汎関数法のシミュレーションプログラムとして著名な「Dgauss」がCACheから利用できるためだ。半経験的な「MOPAC」を利用しているユーザーも多いが、さらに高精度な計算を志向するユーザーに向けて提案活動を行う。

　このようなOMG製品間の統合は徐々に進んでおり、例えばQSAR（構造活性相関解析）の「Tsar」に「TopKat」の毒性予測機能が付け加わった事例もある。大量の化合物をQSARで評価する際に毒性データを加味することができるので、医薬品などの大量スクリーニングにも役立つという。