MSIが半導体開発向けCCSでモトローラと技術提携

量子力学計算システム群を納入、原子レベルでの解析を実行

 1998.01.15−米国の大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーであるモレキュラーシミュレーションズ社(MSI)は、半導体大手のモトローラ社と、次世代マイクロプロセッサーなどの研究においてCCS技術の応用を推進することで技術提携した。チップの高性能化や高集積化を突き詰めていくと、原子レベルでの材料の振る舞いや現象への理解が非常に重要なポイントになると考えられている。両社では、このプロジェクトを通して将来の研究開発のための技術基盤の確立を図る計画。

 今回、MSIと提携したのはアリゾナ州フェニックスに位置するモトローラ半導体製品セクター(SPS)のプレディクティブ(予測)エンジニアリング研究所。同研究所はすでにMSIの「CASTEP」、「ファーストストラクチャー」、「DMol3」といった計算化学プログラムを含む量子力学的解析のためのスイート製品群を導入した。これらは、MSIの統合的なCCS環境を提供する「CERIUS2」から利用することができる。

 これらの計算によって、次世代チップに使われるような新しい材料系の特性予測や固体表面における原子の振る舞いのシミュレーションなどが可能になるため、さまざまな原子レベルでの洞察が得られ、研究の高度化に寄与できるとしている。