米モレキュラーシミュレーションズをファーマコピアが買収
総額1億4,000万ドルで、CCS事業は継続
1998.02.06−米国のコンピューターケミストリーシステム(CCS)最大手ベンダーの1社であるモレキュラーシミュレーションズ社(略称・MSI、本社・カリフォルニア州、マイケル・サベッジ社長)が4日(現地時間)、コンビナトリアルケミストリーの専門技術会社であるファーマコピア社(本社・ニュージャージー州、ジョセフ・モリカ社長)に総額1億4,000万ドルで買収された。買収は、法的手続きも含めて75日−120日で完了する予定。MSIはファーマコピアの100%子会社として運営されるが、CCSベンダーとしての業務内容はほぼ変わらないとみられる。日本では帝人と合弁で「帝人モレキュラーシミュレーション」を設立しているが、当面は国内での事業体制にも変化はない。
ファーマコピアは米店頭市場であるNASDAQに上場している企業で、一方のMSIはプライベートカンパニー。今回、ファーマコピアが約700万株の新株を発行してMSIの全株を取得。加えて、MSIのストックオプションをファーマコピアの150万株相当で転換した。これにより、3日の株価終値16.5ドルに基づいて、合計850万株分に当たる約1億4,000万ドルが買収総額となる計算だ。
ファーマコピアは、1993年に設立されたコンビナトリアルケミストリー技術のリーディング企業の1社で、「ECLiPS」と称する新薬探索技術と、370万化合物を網羅した化合物ライブラリーを持っている。製薬会社と個別に委託研究契約を結んで、技術サービスを提供するという事業を行っている。社員数は約200名で売り上げ規模は2,500万ドル。MSI買収後は社員500名、売り上げ7,500万ドル規模に拡大する。
買収後も、MSIの組織はそのまま存続し、サベッジ社長が指揮を執って従来通りのビジネスを行う。ただ、MSIもここ数年はコンビケム分野のサービス・サポート、関連CCS製品開発に力を注いでおり、将来はシナジー効果があらわれるものと期待される。また今回、サベッジ社長はファーマコピアの役員会にも加わる。