ソニー・テクトロニクスが旧クレイのUniChemを販売

ワークステーション移植で使いやすく、3種類の分子軌道法を駆使

 1998.03.04−ソニー・テクトロニクスは、分子軌道法をベースにした分子設計支援システム「UniChem」(ユニケム)を販売開始した。欧州のCCS(コンピューターケミストリーシステム)大手である英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の製品で、SGIおよびIBMのUNIXワークステーションで利用でき、価格は69万円から。

 「UniChem」はもともとスーパーコンピューターメーカーの米クレイ・リサーチがデュポンなどと共同開発したCCSで、スーパーコンの高速計算能力を生かした高度な材料設計機能が特徴だった。現在では、分子計算機能がワークステーションに移植されて使いやすくなっており、1996年5月にはOMGがこの事業をクレイから買い取っている。

 買収された後も、国内では日本シリコングラフィックス・クレイが販売・サポートを続けていたが、今回OMGの国内パートナーであるソニー・テクトロニクスがこれを引き継ぐことになった。

 「UniChem」により、密度汎関数法の「Dgauss」(33万円から)、半経験的方法の「MNDO94」(13万円から)、ab initio法の「CADPAC」(20万円から)の3種類の分子軌道法ソフトを統合的な環境で利用することができる。