CTCLSがコンビケム/HTS支援でソフト自社開発
研究の一連の流れを総合支援
1998.04.22−コンピューターケミストリーシステム(CCS)大手ベンダーのCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、新薬開発の新しい研究手法として注目されているコンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)技術を国内の製薬会社などが導入することを支援するため、幅広いソフトウエアおよびサービスの製品体系を確立した。実績豊富な米国製ソフトの提供に加え、それらを補完するソフトを自社開発し、実際の研究業務フローに沿った形でのきめ細かなソリューションを実現している。最近、国内の製薬産業はこの分野の技術導入を急ピッチで進めているが、ソフト面の不備から十分な効果があがらないケースもある。現在、こうした総合的なサービスを提供するベンダーは国内にはほとんどないため、今回のソリューションは広く注目を集めそうだ。
CTCLSは、米国のCCS大手であるMDLインフォメーションシステムズ社およびモレキュラーシミュレーションズ社(MSI)のコンビケム/HTS支援ソフトを数年前から販売しており、すでに多くの納入実績をあげている。しかし、実際に運用が開始されると、研究のワークフローの中で足りない機能がいくつかあることが判明したため、約1年をかけてユーザーの要望をきめ細かく聞き、自社でソフト開発を進めてきていた。
これにより、母核化合物合成のための反応の検討から、使用する試薬の選択、コンビナトリアルライブラリーの構築、ロボット合成のためのセットアップ、プレートへの分注、品質管理データの収集、プレートの管理、アッセイ結果の管理、アッセイ結果と分子構造との相関検討、薬理活性部位のデザインまで研究の一連の流れをもれなく支援することができるようになった。
あらためて自社開発したのは、多数の試薬の使用状況を適切に管理する「CoRM」、自動合成のために必要な試薬量や濃度、分子量などを計算し、自動分注機の制御データを作成する「CoAS−T」、合成物をアッセイ用および保管用、品質管理用などの目的別プレートに自動分注するための制御と管理を行う「CoAS−U」。それぞれ地味だが、実際に研究を進める上では、ないと困る機能だという。オラクルベースで開発されており、価格はそれぞれ500万円、250万円、250万円。