CCS特集・遺伝子関連
日立ソフトウェアエンジニアリング
1999.03.20−日立ソフトウェアエンジニアリングは、遺伝子情報解析、バイオインフォマティクスの長年の事業で培ったノウハウを武器に、DNAチップ事業への新規参入を計画。関連のソフトウエア・ハードウエア技術を確立し、現在は評価ユーザーに対してシステムおよびチップのサンプル供給をスタートしているが、近く本格的な事業化に移行していく。
同社は、遺伝子配列解析ソフト「DNASIS」や塩基配列読取装置「FMBIO」で海外市場でも豊富な実績を持っている。現在は、遺伝子データベースの提供サービスやバイオ関係の研究所システムの受託開発も含めて、総合的なビジネス展開を行っている。
新規に開始するDNAチップは、ガラス基板上に一本鎖の遺伝子をスポット移植したもので、その上で検体となる遺伝子を反応させ、二本鎖を形成したかどうかを分析することでさまざまな遺伝子判定を行うというシステム。
遺伝子の抽出とライブラリーの作成で奈良先端技術大学院大学の松原兼一教授と共同研究を行っているほか、基板上に遺伝子をスポットするチップ製造装置、検体とチップとの反応装置、データ読み取り装置、分析データの解析ソフトまで、すでに要素技術は確立ずみである。
将来は、医薬品を投薬した後に遺伝子がどのように細胞内に発現するのかを研究したり、患者の遺伝子をチップ化して肝炎やエイズなどの診断に利用したりするなどの応用が考えられるという。