CCS特集・計算化学関連

菱化システム

 1999.03.20−菱化システムは、材料設計の統合CCSとして米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)の「CERIUS2」を提供しているが、昨年末から新たに金属や半導体などに強い米サイコの「MedeA」の販売も開始した。材料設計分野は、ポリマーや結晶、液晶、半導体、金属、触媒、電子材料、磁性材料など設計対象が非常に幅広い。このため、それぞれの系に合わせてさまざまな計算手法や解析プログラムを適切に組み合わせる提案力がカギであり、その意味では技術サポートに強い同社の得意分野となっている。

 MedeAは、データベースと量子力学計算の手法を一つのプラットホーム上で統合したシステム。計算手法としては、密度汎関数法の「ElectrA」、第一原理分子動力学法の「OresteS」の2種類のプログラムを内蔵しており、物質の電子状態を計算することで各種の物性予測や構造解析、表面反応のシミュレーションなどを行うことができる。パソコン上で実行できるように高速で精度の高い手法を採用していることも特徴である。

 サイコ自体新しいベンダーであり、昨年末から日米同時期での新発売となっているが、すでに日本でも第1号ユーザーが決定するなど好調な出だしだ。

 MSI製品については、CERIUS2から利用できる第一原理分子動力学の「CASTEP」の評価が高い。また、以前にMSIから提供されていた「ADF」も周期境界条件が扱える密度汎関数法として人気があるという。