CCS特集・パソコン関連

富士通

 1999.03.20−国産CCSベンダーの最古参である富士通は、パソコン版分子軌道計算ソフト「WinMOPAC」のヒットで、自社開発製品主体の事業戦略を取り戻しつつある。分子動力学法の「WinMASPHYC」、構造式作図の「ChemFrontier」、1万原子を計算できる「MOPAC2000」と矢継ぎ早に新製品を開発しており、世界市場をもにらんだ展開が注目されるところだ。

 富士通は、世界的に有名な半経験的分子軌道法MOPACの開発者であるJ.P.スチュワート博士とコンサルタント契約を結び、MOPACの商品化および独占頒布権を所有している。WinMOPACは、ウィンドウズベースのグラフィック操作環境を統合しているため、誰にでも簡単に使え、大学教育用に大量導入されるなど、すでに国内で3,000本近くを販売。以前は敷居の高かった分子軌道計算の大衆化に貢献した。

 海外についても、マーケティングの確立、インターネットでのクレジット販売への対応など、着々と準備を進め、いよいよ来年度からは本格的に海外での販売がスタートする予定。この間、海外のユーザーは古いバージョンのMOPACを使わされてきたわけで、海外市場にとっても待望の製品となろう。