CCS特集・コンビケム関連

NEC

 1999.03.20−NECは、分子軌道法(MO)を身近なものにするパソコンソフトの提供から、高性能な小型計算サーバー、本格的な並列型スーパーコンピューターまで計算化学の発展を全面的に支援している。とくに、分子軌道法では米ガウシアンの「GAUSSIAN」がやはり世界のスタンダードであり、快適なGAUSSIAN環境を提供することが同社のCCS事業の一つの狙いとなっている。

 GAUSSIANのための専用グラフィックソフトである「MolStudio」がリリース2.0に機能強化された。従来バージョンはUNIXとパソコンのクライアント/サーバー環境での利用形態を想定し、サーバー上のGAUSSIANへの自動ログイン機能などを重視していたが、最新版ではウィンドウズ版GAUSSIAN98W、パソコンだけで手軽にMO計算を体験できるようになった。

 また、テンプレートを利用した分子ビルダー、Zマトリックスへの対応など入力機能が強化されたほか、計算結果の出力としても分子軌道や電子密度の等高線表示、静電ポテンシャル表示など可視化機能が向上。パブリッシング機能の追加で論文作成などへの展開も容易になっている。今後は海外での販売にもチャレンジする。

 一方、世界最高速のスーパーコン「SX-5シリーズ」は世界で20台の受注実績があり、例えば国内では分子化学研究所や三井化学などCCS分野での実績も豊富。低価格の「SX-4B」もサーバーとして使い勝手が良い。GAUSSIANの実行に最適なハードウエアだ。