CRC総合研究所が教育市場にCCSを普及へ
教官たちにノウハウを提供
1999.01.18−CRC総合研究所は、パソコン上で利用可能なコンピューターケミストリーシステム(CCS)「SPARTAN」(スパルタン)を教育市場に普及させるための新戦略として、全国の主要大学と共同したセミナープログラムを開始した。具体的には各大学が主催する公開セミナーとタイアップして、いろいろな大学の教育関係者などを対象に、CCSを利用した化学教育のやり方を提案しようというもの。1998年10月に大阪大学と協力して実施したところ、希望者が多数でニーズにこたえられなかったため、今後も継続的に開催していくことを決めた。ここ数年、大学におけるCCS教育の必要性が指摘されており、その意味からも意義深い取り組みといえそう。
有機化学などの実習にCCSを取り入れる試みは、すでにいくつかの大学で先進的な事例があり、学生の興味がかき立てられ、化学に対する理解が増すなどの効果が報告されている。しかし、CCSを利用した“教育”という面では指導する先生たちのノウハウも十分ではなく、いまだ手探り状態といったところも多い。
「SPARTAN」は米ウエーブファンクション社の製品で、米カリフォルニア大学アーバイン校のウォーレン.J.ヒーリー名誉教授が開発した分子軌道法による分子モデリングシステム。欧米では教育分野での実績が高く、ヒーリー教授はそのための教科書も執筆している。今回のセミナーでは、ヒーリー教授が自ら来日し、有機化学をはじめとする化学教育の講義演習の中に分子モデリングをどう取り入れることができるのかを解説する。
今月23日に東京都立大学主催公開セミナー「情報教育工学研究会」、27日に京都大学主催公開セミナー「計算化学ワークショップ」として実施される。時間は午前10時から午後5時まで。問い合わせは。CRC総合研究所の計算化学担当03-5634-5834まで。
同社では、1年に4−5回のペースで次年度以降も継続的に開催していくことにしている。