日本MDLとCTCLSがデータマイニングツール

HTSデータ解析に威力

 1999.01.08−コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの日本MDLインフォメーションシステムズとCTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、ハイスループットスクリーニング(HTS)などのアッセイデータの解析に威力を発揮するソフトウエア「スポットファイヤー・プロ」(商品名)の販売を開始した。米MDLが1998年11月に、米スポットファイヤーから化学・生物分野における全世界の独占販売権を取得したことにともない、国内でも本格的に発売する。膨大なデータの中に隠れた有用な相関関係や意味のある情報を探り当てる“データマイニングツール”の一種で、パソコンのウィンドウズ環境で利用できる。標準構成のソフト価格は約100万円から。

 「スポットファイヤー・プロ」は大量の情報をさまざまな角度から自在に抽出し、ビジュアル表示する機能を持っているため、効率良くデータを探索することが可能。新薬開発においては、ジェノミックス研究からコンビナトリアルライブラリーの構築、スクリーニング実験、候補化合物の絞り込みや化学構造の最適化まで幅広いフェーズで利用できるが、日本MDLとCTCLSではまずはHTSのデータ分析分野に売り込んでいく計画である。

 表計算ソフトのエクセルにまとめられたアッセイデータは、マウスのコピー&ペースト操作でスポットファイヤーに受け渡すことができるが、その際にフィールドのデータタイプが自動的に判別され、スポットファイヤーの画面上には各数値データに対応したスライダーバーが出現するので、ユーザーはそのバーを動かすだけで自由にデータの範囲を絞り込むことができる。また、抽出したデータだけをエクセルに返すことも容易。HTS対応としては、各アッセイデータを96穴プレートイメージに並べて表示する機能などもある。

 MDLのデータベース製品と連携させれば、個々のデータの構造式なども自由に参照することが可能。このためのオプションツール「スポットファイヤー・ストラクチャービジュアライザー」はMDLとの共同開発となっている。

 なお、米MDLでは今年1−3月期にスポットファイヤー製品でトータル100万ドルの売り上げを見込んでいるという。