日本MDLが試薬選択システム

コンビケム向け、最適試薬を絞り込み

 1999.01.19−日本MDLインフォメーションシステムズは、有機合成の際に必要な試薬を効率良くみつけ出すためのデータベースアプリケーション「リージェントセレクター」(商品名)を、このほど日本国内で発売した。物性や価格、サプライヤーなどの情報をもとに、25万件の試薬情報の中から必要な製品を絞り込むことができる。新薬の研究開発で注目されているコンビナトリアルケミストリー/ハイスループットスクリーニング(HTS)に対応しており、試薬の発注・購買システムや在庫管理システムとの連携も可能。統合化学情報管理システム「ISIS」のアプリケーションとして動作し、クライアントにはウィンドウズおよびマッキントッシュが利用できる。

 「リージェントセレクター」は試薬の選択に特化したアプリケーション。例えばコンビケム/HTSでは、複数の試薬の組み合わせによってさまざまな構造を持った化合物を大量に発生させてスクリーニングするが、アルデヒドやアミンなどの基本的なものでは数万種類もの試薬が存在しており、すべてをコンビケム合成にかけることは費用の面からも不可能。そこで、適切な試薬をうまく選び出す工夫が必要になる。

 まず、欲しい部分構造を入力して、その構造を含む試薬を検索。その後、反応のじゃまになる官能基や金属などの好ましくない原子を含むものを除外したり、分子量やlogP値などの物性の範囲、価格の範囲、サプライヤーの指定を行ったりして、試薬を絞り込んでいく。また、クラスタリング機能を内蔵しているので、ダイバーシティ(分子の多様性)を加味した試薬の選択を行うことができる。

 検索の履歴はウィンドウにツリー表示されており、任意の段階から再度絞り込みを実行できるなど、操作性も優れている。

 最終的に選び出した試薬が社内に在庫している場合には、データベースから在庫情報を照会することができるほか、在庫切れの時には発注システムに連結させることも可能。試薬発注システムは「SMART」の製品名で別途提供される。