ソニー・テクトロニクスが豊橋技科大の

CONFLEXをCACheに統合

 1999.03.11−ソニー・テクトロニクスは、英オックスフォードモレキュラーグループ(OMG)の分子モデリングシステム「CAChe」の最新機能として、豊橋技術科学大学の大澤映二教授らのグループが開発した配座空間探索プログラム「CONFLEX」を統合して製品化し、販売を開始した。オプションプログラムとして提供され、価格はウィンドウズ/マッキントッシュ版が15万円、SGI/IBMのサーバー版が25万円から。CACheには各種多数の計算機能が組み込まれているが、日本製のプログラムが内蔵されるのは初めて。これにより、CONFLEXは世界中で販売されることになる。

 CONFLEXは分子の最も安定な配座を探索するプログラム。一般には、対象の分子全体のエネルギーを極小化させることによって安定配座を求めるが、局所的な極小値(ローカルミニマム)に陥いることを防ぐために、初期構造をいくつも変更してその都度エネルギー計算を繰り返すなど、非常に手間ひまがかかる作業だった。CONFLEXは配座発生と構造最適化機能を合わせもっており、配座に関する研究を大幅に効率化することができる。CACheに内蔵されている分子力場計算MM2/MM3と組み合わせることで、化学的に重要な配座異性体の最適化構造をもれなく自動的に見つけ出すことが可能。

 CONFLEX自体は、大学で開発されたオープンソースコードとして無償で提供されているものだが、パソコンなどで実行可能なモジュールの形態で、CACheのグラフィック環境とのインターフェースが完備されていることが今回の製品版の特徴。