帝人システムテクノロジーがMacroModelの独占販売権

米シュレーディンガーとの関係強化

 1999.03.26−帝人システムテクノロジー(TST)は、米シュレーディンガー(本社・ニュージャージー州、ウエイン.C.ガイダ社長)が開発・販売している分子設計支援システム「MacroModel」(商品名)を日本市場で独占的に販売する契約を締結した。米コロンビア大学のクラーク・スティル教授らのグループが開発し、大学から販売されていたシステムで、シュレーディンガーは1998年8月に開発陣と販売権をそっくり取得した。国内では94年から旭化成情報システムが販売していたが、TSTが既存ユーザーのサポートも含めてそれを引き継ぐ形になる。TSTでは初年度1億円の売り上げを見込んでいる。

 MacroModelはとくに有機合成の研究者に人気のあるシステムで、世界中に約450機関のユーザーがある。国内でも大学を中心に80サイト/200ライセンスが稼働している。

 有機分子から生体高分子までの構造情報を、分子力場法および分子動力学法に基づいて計算する機能があり、各種の機能の中でも立体配座探索機能の評価が高い。そのための5種類のエネルギー最適化アルゴリズムが組み込まれており、安定配座を効率良く探り出すことができる。価格は、アカデミック向けが150万円、民間向けはいまのところ未定。

 シュレーディンガーは、分子軌道法計算プログラム「Jaguar」で知られるベンダーで、今回のMacroModelの買収を機に製品の統合を計画中。年末までに共通のグラフィック環境を実現する予定で、TSTではそれも合わせてシュレーディンガー製品を戦略商品と位置づけ、積極的に販売活動を展開する。