帝人システムテクノロジーがコンピュードラッグと販売提携

新薬候補物性予測ソフトを提供

 1999.11.30−帝人システムテクノロジー(TST)は、ハンガリーのソフト会社であるコンピュードラッグ(本社・ブダペスト、フェレンス・ダルバシュ社長)と販売代理店契約を結び、新薬開発を支援するソフトウエア「PALLASシリーズ」(商品名)の販売を開始した。新薬の候補化合物の構造から薬物設計に役立つ重要な物性を計算したり、毒性や代謝物質を予測したりする機能を持っている。ウィンドウズパソコンで動作し、ソフト価格は約47万円から。

 PALLASは、新薬開発に有用な機能を提供する複数のモジュールで構成されており、全体を統一的なインターフェースで利用できるようになっている。具体的には、構造式からpKa値(解離定数)を計算する「pKalc」およびLogP値(疎水定数)計算の「PrologP」、それら結果をもとにLogD値(分配係数)を計算する「PrologD」、HPLC分離予測の「EluEx」、毒性予測の「ハザードエキスパート」、代謝予測の「メタボルエキスパート」−といった製品群がある。TSTでは、セット購入で特別価格を設定している。

 最近の創薬研究は、コンビナトリアルケミストリー技術の採用によって大量の候補物質を扱うようになってきており、実験の前にコンピューター上で行うスクリーニングの重要性が高まっている。PALLASは医薬品になる可能性の高い化合物をあらかじめ絞り込むことができるので、新薬開発の大幅な効率化に役立つという。