CCS特集:遺伝子/バイオインフォマティクス関連

富士通九州システムエンジニアリング

 2000.03.20−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、ケムインフォマティクスとバイオインフォマティクスの両面でCCS事業を展開しているが、とくにバイオ系のシステムインテグレーションで売り上げを大きく伸ばしている。IT(情報技術)ベンダーとしてデータベース(DB)システムの提供などに力を入れてきたが、同社はオリジナルのDBコンテンツの作成にも意欲をみせており、塩野義製薬と共同で通産省プロジェクトへの提案を行うなど興味深い取り組みを進めている。

 現在、バイオインフォマティクス分野では、大学や公的研究機関向けのシステム開発のプロジェクトを富士通経由で担当することが多いが、FQS単独でも個々の研究活動に役立つツールやDBシステムを受注しており、ユニークなアノテーションツールなどを開発した例もあるという。

 自社パッケージとしては、たん白質の立体構造を美しいグラフィックで標示する「プロテインアドバイザー」、遺伝子/アミノ酸DBに対しホモロジー検索を行う「シーケンスアドバイザー」といった製品を持っている。今後、前者では高機能版を追求する一方で、表示機能を主体にした簡便な教育用の商品化も計画。後者の方はさまざまな遺伝子情報の管理・解析ツールを追加して、機能をふくらませていく考えだ。

 さて、通産省に平成12年度プロジェクトとして提案しているのは、チトクロームP450を中心にした薬物代謝酵素に関するDBを構築しようというもの。塩野義製薬と共同で研究しており、北海道大学や神奈川大学、武庫川女子大学などの研究グループをも巻き込んでプロジェクトを立ち上げる計画である。最終的に選ばれるかどうかはまだわからないが、いずれにしても共同研究は推進し、DB化を成功させたいとしている。