CCS特集：遺伝子／バイオインフォマティクス関連

菱化システム

　2000.03.20−菱化システムは、いわゆるポストゲノムをターゲットにしたバイオインフォマティクス分野のソリューション提供に力を入れる。この分野では米モレキュラーアプリケーショングループ（MAG）の製品を扱っていたが、MAGは昨年いっぱいで実質的に解散してしまった。このため、当面は同社が総代理店を務めている米モレキュラーシミュレーションズ（MSI）のファンクショナルジェノミックスコンソーシアム関連の活動を中心としていく。

　MSIのファンクショナルジェノミックスコンソーシアムは、アミノ酸配列のホモロジー検索からたん白質立体構造の予測、そのたん白質の機能推定まで、新薬を開発するためのジェノミックス研究の一連の業務をアウトソーシングする新サービス。ユーザーは、ターゲットのたん白質が含まれたゲノム情報をMSIに提出するだけで、最先端ソフトを利用して解析された結果を受け取ることができる。

　MSIの親会社であるバイオベンチャーの米ファーマコピアは、特定ユーザーからの委託研究で新薬候補のリード化合物を探索するサービスを行っているが、今回のコンソーシアムはそれとパッケージビジネスとの中間的な色彩の事業となっている。

　具体的には、「ホモロジー」「SeqFold」「モデラー」「プロファイル3D」「バインディングサイトアナリシス」など、MSIがすでに持つソフトウエアが利用されるが、各システムが新薬ジェノミックス研究のワークフローに沿って「ジーンアトラス」の名称で統合されており、ゲノム情報をもとにした大量データ解析に対応しているのが特徴だ。

　現在、チャーターメンバーを募集中だが、国内の大手製薬会社のなかにも関心を示すところが出てきているという。