CCS特集:モデリング/ケムインフォマティクス関連
NEC
2000.03.20−NECは、分子軌道法の定番ソフトである「GAUSSIAN」専用のグラフィック環境として利用できる「MolStudio」を開発し、販売を行っている。ネットワークに対応しているので、サーバー上のGAUSSIANをパソコンからコマンドなしで簡単にコントロールできるほか、ウィンドウズ版GAUSSIANとのコンビネーションではパソコン単体で非経験的分子軌道計算を実施できる。
MolStudioは現在リリース2で、近くリリース3が提供される予定。GAUSSIAN用の入力データを専用エディターを使って簡単に作成し、計算結果の可視化・解析を3次元グラフィックスで行う機能があり、GAUSSIANを身近にしたとして国内では人気が高い。
専用のウェブサイト(http://www.sw.nec.co.jp/APSOFT/SX/molstudio/index.html)があり、マニュアルやアップデートモジュール、お試し版がダウンロードできる。ユーザーニーズを開発に反映させる方針であり、最近ではデスクトップパブリッシング(DTP)機能や化学データベース(DB)とのリンク機能などへの要望が多いという。
また、GAUSSIANは計算量が巨大なアプリケーションの典型であり、その意味ではNECのスーパーコンピューターSX-5との接続も大きなポイント。SX-5は出荷開始後1年強で50台の導入実績を持つベストセラー機で、最近ではウェブスーパーコンピューティングというコンセプトを打ち出している。ブラウザーからインターネットを介してSX-5の計算パワーを自分のデスクトップに引き寄せることができるというもの。
MolStudioもインターネット対応を視野に入れて開発を進めているが、国内での人気を受けて海外での発売も具体的に検討を始めているという。