CCS特集:モデリング/ケムインフォマティクス関連
帝人システムテクノロジー
2000.03.20−帝人システムテクノロジー(TST)は、NMRスペクトルデータベース(DB)などの分析関連のシステムや、薬物などの物性予測ソフトを組み合わせたケムインフォマティクス分野のソリューション提案を強化する。また、今年は計算化学分野においても、米シュレーディンガー社から量子化学計算システム「JAGUAR」と分子設計支援システム「MacroModel」の統一インターフェースが提供されるなど話題豊富であり、あらためてユーザーニーズの掘り起こしに取り組んでいく。
製薬産業などでは、ハイスループットスクリーニング(HTS)などの新技術導入を進めた結果、大量の分析データがあふれ、統合DB管理に対するニーズが高まってきている。
スイス・MSP社の「MassLib」にはHTSからマス(質量分析)データを自動的に取り込む機能があるほか、独ケミカルコンセプト社の「SpecInfo」もNMRスペクトルなどのDB構築が可能。
一方、logDなどの基本物性を予測するハンガリー・コンピュードラッグ社の「Pallasシリーズ」、体内での吸収に関する物性予測ができる米シミュレーションズプラス社の「GastroPlus」などを利用しても大量のデータを蓄積できる。これらも含めて研究データの共有化・有効利用を実現するケムインフォマティクスのトータルソリューション構築に結びつけたい考え。
また、シミュレーションズプラスでは、薬物の剤型の違いによって吸収や体内動態がどう変化するかを予測するソフトを開発するためのコンソーシアム「DDD+」を計画しており、4月か5月にスタートの予定だという。
TSTとしても、外国製品のパッケージ販売にとどまらず、ソリューションやサービスを主体にした事業展開を目指す。