CTCLSがDNAチップ解析からデータ管理まで

米モレキュラーウエアと代理店契約

 2000.03.10−CTCラボラトリーシステムズ(CTCLS)は、米モレキュラーウエア社(本社・マサチューセッツ州、セス・テイラー社長)と代理店契約を結び、DNAチップおよびマイクロアレイ関連のデータ管理から解析までを一元的に行うシステム「デジタルゲノム」(商品名)を販売開始した。あらかじめ培養してプレート上に抽出しておいたDNA断片を、ガラス基板にアレイ状にスポット移植するまでの各データを完全にトラッキングでき、狙いどおりにスポット装置をコントロールするためのファイルを出力してくれる。汎用的なリレーショナルデータベース(RDB)システムを下敷きにしているため、同社ではゲノム関連の研究で発生するさまざまな情報を統合管理するシステムにカスタマイズする要望にも応えていく。

 モレキュラーウエア社は昨年設立されたばかりのベンダーで、その製品である「デジタルゲノム」はDNAチップ/マイクロアレイ製作とそれにともなう大量のデータ管理を効率よく行うシステム。プレート上のDNA情報、アレイ上にスポット移植されたDNA断片のデータ、ハイブリダイゼーション後の蛍光イメージデータ−の3つをRDB(オラクルまたはサイベース)で一元的に管理することができる。

 これまでは、こうした専用システムがなかったため、表計算ソフトのエクセルなどで手作業でデータ管理をするユーザーが多く、その作業は非常に繁雑だったという。また、スポット装置と読み取り装置の操作も難しかったが、「デジタルゲノム」はスポット装置のコントロールプログラムの作成から、読み取ったイメージデータの解析・管理までを自動的に行うので、研究業務の効率が大幅に向上する。

 イメージデータの処理システムが単独でも提供されるので、市販チップを利用して自分ではスポッティングを行わないユーザーにも役に立つ。数100のアレイイメージデータを同時に読み込めるほか、独自アルゴリズムにより完全に自動でスポット位置の同定ができるなどの特徴がある。