米パンジアシステムズがダブルツイストに社名変更
事業をインターネットベースに完全転換
2000.01.19−遺伝子/バイオインフォマティクス関連のシステムベンダー、米パンジアシステムズ社がビジネスモデルをインターネットベースに全面転換し、今月から開始した遺伝子データベース(DB)関連のポータルサービス「ダブルツイスト」の開始に合わせ、社名も「ダブルツイスト社」に変更した。世界中に散在している関連DBを一括して検索できるのが特徴で、遺伝子研究を大幅に簡素化し、スピードアップできる。
ダブルツイスト(http://www.doubletwist.com/)は遺伝子研究者のためのポータルサイトで、ユーザーが調べたいDNAの塩基配列やたん白質のアミノ酸配列データを入力すると、同社独自の検索エージェントプログラムが自動的に作動し、世界中の公共的な遺伝子DBおよび同社が契約している民間DBを横断的に検索することができる。
また、同社はもともと「ジーンワールド」の商品名で遺伝子関連の解析ソフトウエア群を提供していたため、その機能を利用し、今回のポータルサイトのサービスの一環として検索した情報に対してさまざまな解析を行うことも可能。今後はeコマースにも乗り出し、オリゴヌクレオチドやcDNAクローン、クローニングベクターのネット販売なども行っていく。
ポータルをサポートするシステムとしては、サン・マイクロシステムズを採用しており、エンタープライズサーバー450/220/420、複数の5500サーバー、A5200ディスクアレイシステムなどを設置。Solarisペレーティングシステムにより、全体が一つのクラスターシステムとして運用されている。
遺伝子DBのアウトソーシングサービスはむしろ日本が先駆けであり、九四年三月に国立遺伝学研究所のDBを関連の公益法人である遺伝学普及会を通して商業的に提供したことがあった。しかし、ユーザー企業側に機密性の高い配列データを外部に出すことへの抵抗感が強く、事業としては失敗したという経緯がある。このため、国内ではファイヤーウォールの内側に配列検索システムをカスタム構築する企業内型が主流。ところが、欧米では研究活動にインターネットが深く定着していることや、ここ数年でインターネットのセキュリティ技術が格段の進歩を遂げたことなどから、今回のようなサービスへのニーズが高まっているものと考えられる。