米トライポスがパーク・デイビスと共同開発契約

創薬向け知識ベースソリューションを開発

 2000.01.17−医薬向けコンピューターケミストリーシステム(CCS)大手の米トライポス社は、ハイスループットスクリーニング(HTS)技術を生かした創薬研究のための新しいCCS開発で、製薬大手ワーナー・ランバートグループのパーク・デイビス社と共同開発契約を結んだ。3年にわたる数100万ドルのプロジェクトで、大量の候補化合物のスクリーニングデータの解析・解釈・追求を通して、前臨床段階までの開発期間を大幅に短縮させるための情報システム技術の確立を目指す。プロジェクトの成果物は、将来的には商用ソフトとして販売される予定。

 今回の提携は、トライポスの分子情報管理技術とパーク・デイビスの化合物設計技術を合体させ、HTSデータをもとにより効果的なリード化合物を識別するための知識ベースソリューションを確立することが目的となっている。

 具体的には、HTSデータのバリデーション、分子構造と薬物活性との相関の視覚化、ヒットデータのフォローアップのための優先付け、特許の取得可能性の査定、ADME(吸収・分布・代謝・排出)のプロファイリングと予測−などが行えるようにする。

 最近、コンビナトリアルケミストリーとHTS技術によって、新薬開発のプロセスが大きく変革されてきているが、大量の候補化合物を高効率で合成したり分析したりするため、大量のデータが発生し、それにともなうデータ管理とデータマイニングが重要な課題となっている。

 今回の共同開発により、HTSに基づくリード化合物の探索が大幅に効率化され、前臨床段階までの開発期間を短縮する効果がもたらされるものと期待される。