米MDLインフォメーションシステムズ

プリーストリィー執行副社長インタビュー

 2000.04.07−コンピューターケミストリーシステム(CCS)の大手ベンダーである米MDLインフォメーションシステムズは、化学情報管理を中心としたケムインフォマティクス分野でトップシェアを誇る統合データベース(DB)システム「ISIS」(商品名)に対し、新アーキテクチャーの導入を順次進める計画を明らかにした。リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)の業界標準であるORACLE8iの“データカートリッジ”技術に完全対応させ、現在のクライアント/サーバー型からウェブ分野で標準的な三層アーキテクチャーに切り替えていく。先ごろ来日したジョン・プリーストリィー執行副社長(日本MDLの社長も兼務)に新戦略を聞いた。

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 MDLは1980年代に「MACCS/REACCS」、90年代に「ISIS」と、化学DBシステムで一貫してリーダーの地位を保ってきた。化学者が慣れ親しんでいる構造式で情報検索が行えることが世界中の研究者の大きな支持を得た。ただ、ISISを91年に発売してからすでに10年近くがたっており、その間にIT(情報技術)環境も大きく変化している。

 MDLは今年の2月にORACLE8iのデータカートリッジに対応した「ISIS/Direct」を発表したが、プリーストリィー副社長は「これがISISの新しいアーキテクチャーとして、今後の戦略上のポイントになる」と説明する。現在、化学構造式を含むISISの全データはORACLEのリレーショナルテーブルで統合管理されており、それをRCG(リレーショナルケミカルゲートウエイ)と呼んでいる。「データカートリッジを使ってRCGに直接アクセスする技術がISIS/Directであり、これによりISIS全体がORACLE完全準拠となるため、ユーザーに大幅な自由度を与えることになる」と話す。

 例えば、現在は専用のクライアントソフトでなければISISへのデータ入出力を行うことができないが、「これからはJavaやCOMを使って、ユーザーが自由にクライアントを開発できる。また、いろいろな業務システムにISISの機能をビルトインすることも容易。eコマースなどのシステムの背後でISISが活躍することが増えるだろうし、MDLとしてもそれらの面でのサポートに力を入れたい」と述べる。

 ただ、ISIS/Directに一気に切り替わるのではなく、既存のISISクライアントからもRCGにはアクセス可能であり、ユーザーの混乱を招かないように徐々に移行を進める考えだという。

 さらに、「MDLは、製薬・化学産業の研究開発をサポートするトータルソリューションプロバイダーを目指しており、以前のようにDBツールだけを提供するのではなく、コンサルティングやカスタマイズの強化、バイオロジー製品の新規投入やアプリケーションの提供、また豊富なデータを持つ強みを生かしたデシジョンメイキングツールなど事業範囲を拡大中だ。日本市場もますます重視するので期待してもらいたい」と強調する。