米MSIがCREIUS2バージョン4.2をリリース

固体物性シミュレーション機能を強化

 2000.05.19−大手コンピューターケミストリーシステム(CCS)ベンダーの米モレキュラーシミュレーションズ(MSI)は、統合型CCS「CERIUS2」の最新版バージョン4.2で、量子化学および分子力学シミュレーション計算機能を強化した。とくに、固体の無機材料の物性を予測する機能が拡張されており、触媒の開発などに役立つという。

 今回のCERIUS2バージョン4.2で強化されたのは、密度汎関数法のDMol3、第一原理分子動力学法のCASTEP、分子力場法のCOMPASS−の3種類の計算化学プログラム。

 DMol3では、ブリュアン帯(金属内電子の運動量空間において、電子の持つエネルギーが不連続な面で分けられた領域)を越えて、その運動量空間内の各点(K)での電子状態を調べることができるようになった。結晶の弾性振動と電気伝導を知るために重要な要素であり、これによってDMol3で固体材料の全領域をほぼカバーすることが可能だという。

 CASTEPについては、メッセージパッシング方式の並列バージョンが初めてリリースされた。ウルトラソフト・リアルスペース・シュードポテンシャル法の採用によって、パフォーマンスが大幅にアップしている。

 COMPASSは、独自のオープンフォースフィールドに基づくクラシカルなシミュレーションツールで、原子の分極をベクトルで視覚的に示すことが可能になった

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