コンパックが無停止型コンピューターの最新機種

Java完全対応で基幹系eビジネスプラットホームを狙う

 2000.06.21−コンパックコンピュータは、無停止型コンピューター「ノンストップ・ヒマラヤ Sシリーズ」の最上位モデルとして、2倍以上の価格性能比を実現した「S74ファミリー」を発表し、21日から出荷を開始した。とくに、Javaで開発されたウェブアプリケーションを稼働させるため、Java2 プラットホーム・エンタープライズ・エディション(J2EE)を完全にサポート。同社では、世界で最も信頼性の高いJavaベースのeビジネスプラットホームマシンとして積極的に売り込みをかける計画である。価格は、月額レンタル料で下位モデルの「S74」が110万円から、最上位モデルの「S74000」が同200万円から。

 同社のヒマラヤシリーズは無停止型の独自OS(基本ソフト)を搭載したコンピューターだが、1997年に開発されたSシリーズ以降はプログラミングインターフェース、トランザクション機能、データベース(DB)機能、ソフト開発環境などを順次オープンスタンダードに移行させてきている。ノンストップマシンの基盤となる独自OSは変わっていないが、カーネルが拡張されてPOSIX準拠となっており、UNIX向けソフトの移植性が高くなっているほか、Javaの開発・実行環境、ウェブ対応機能、相互運用性の向上などの強化が図られてきた。

 さらに今回、J2EEをサポートすることで、ヒマラヤ Sシリーズの一層のオープン対応を実現。まず、J2EEのAPI(アプリケーションプログラミングインターフェース)実装として、エンタープライズJavaBeans(EJB)1.1に対応した「ノンストップ・エンタープライズアプリケーションサーバー」(商品名)を提供する。

 EJBは基幹業務アプリケーションを開発するために強化されたJavaの仕様。現在、ウィンドウズNTやUNIXで利用されているウェブアプリケーションがそのままヒマラヤ上で動作できるようになるため、同社ではミッションクリティカルなウェブサーバーとして最適なマシンだと位置づけている。

 また、オブジェクトマネジメントグループ(OMG)のCORBA(コモン・オブジェクト・リクエスト・ブローカー)最終仕様である2.3に準拠した「ノンストップ・CORBA2.3」(商品名)も提供する。JavaとC++/CORBAの両方のオブジェクトが混在した環境をサポートでき、WWWサーバーからのバックエンドで他のアプリケーションサーバーやDBサーバーを柔軟に連携させ、クライアントからの高度な処理要求に応えることができるようになった。

 さて、新機種のヒマラヤ S74ファミリーは、ミップスのR10000プロセッサーを2個搭載した「S74」(月額レンタル100万円から)と最大16個(1ノード当たり)搭載可能な「S7400」(同150万円から)、R12000が2個の「S740」(同160万円から)と同じく最大16個の「S74000」(同200万円から)−の4モデルから構成される。

 プロセッサー性能が、従来機のS72000の50%アップとなっているほか、メモリー容量もプロセッサー当たり4GBまで拡張可能。ウルトラSCSIバスの採用でI/O性能も強化されている。

 プロセッサー数は最大で4,080個まで拡張できるが、プロセッサーモジュールおよびキャビネットの追加は、システムが稼働中の状態でノンストップでフィールドアップグレードすることが可能。