Linux技術者認定機関の日本法人設立

7月からオンラインで試験を実施

 2000.04.14−Linuxに関する技術者認定試験を実施する非営利企業Linuxプロフェッショナルインスティチュート(LPI)の日本法人「LPI−ジャパン」が6月末に設立されることになった。設立発起人は、日本SGI、ネオナジー、ターボリナックスジャパン、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)、リナックスケアーで、Linux関連のビジネスを推進するベンダー各社のスポンサー料で運営していく。7月から日本語による認定試験を開始する予定。

 LPIは、カナダを本拠に1998年に設立され、昨年10月末から正式に活動を開始。すでに、英語での認定試験を一部でテスト的に実施している。

 オープンソースの運動が広がる中で、Linuxはインターネット関連のサーバー用OS(基本ソフト)として人気だが、いまのことろLinux技術者の技術レベルを中立的に判断する規準がなく、また技術者を育成するにもその目標が定まらないという問題があった。

 そのためLPIでは、特定のベンダーやディストリビューターに依存しない中立のLinux技術認証団体としての地位を確立することを目指している。活動は非営利で、企業スポンサーの寄付金だけで運営され、そのスポンサーシップは500万円以上を拠出するプレミアムスポンサー、250万−500万円のゴールドスポンサー、以下100万−250万円のシルバー、50万−100万円のブロンズ、10万−50万円のコントリビューター−の5つのグレードに分かれている。

 認定レベルは、レベル1から3までの三段階からなり、実際の試験の実施は米VUE(バーチャルユニバーシティ・エンタープライゼス)が回線を通じてオンラインで行う。日本国内ではVUEと提携するエヌ・ティー・シーの全国45ヶ所の施設を利用する。レベル1は、UNIXのコマンド体系やLinuxのファイルシステムを理解しており、ブートやイニシャライズができ、実際のハードウエアに対するインストールやネットワークの設定などが行えるレベルを指す。レベル2では、不具合や問題点をトラッキングし、解決する能力、ネットワーキングの応用管理、カーネルやデバイスドライバーのバージョン管理、アップデートのプランニングなどLinuxの最適化を行えるレベル。レベル3はウィンドウズとの統合やインターネット、データベース、セキュリティなど高度な要件を含んでいる。受験料は1万円で、最初の1年間で数千名が受験すると見込んでいる。

 なお、LPI−ジャパンの事務局は日本SGIの本社内に置かれ、初代理事長には成井弦・日本SGI副社長が就任する。