FQSが個人で利用可能な化学DBサービス

インターネット経由で独インフォケムのSPRESI

 2000.07.18−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、インターネットで検索可能な独インフォケム社の化学情報データベース(DB)「SPRESI」(スプレッシ)の販売を開始した。これまでのオンラインDBサービスは利用料金が高く、契約の形態も法人や団体向けのものがほとんどだったが、今回のサービスは大学などを含め研究者が個人レベルでも利用できる水準の低料金を狙ったもの。3年間で3,000セットの販売を見込んでいる。

 SPRESIは、旧ソ連のVINITI研究所と独ZIC社との共同プロジェクトで開発されたシステム「CHIMINFORM」がベースになっている。インフォケムがそれを商用版として製品化したもので、1975年以来の約400万件の有機化合物/有機金属化合物情報(ステレオアイソマー約70万件を含む)、約300万件の反応情報(特許から約40万件を収録)、さらに300万件以上のリファレンス文献情報が蓄積されている。

 ユーザーが、一般のウェブブラウザーソフトでインフォケムの専用サイトに接続すると、Javaアプレットが自動的にダウンロードされ、ブラウザー上でDBの検索や表示が自由に行えるようになる仕組み。インターネットに接続可能な環境があれば、いつでもどこからでも利用できるという特徴がある。

 契約は年間ライセンス制で、1ユーザーの費用は年間13万円(民間)、6万5,000円(アカデミック)と、研究者個人でも利用できる水準に抑えた。また、10ユーザーでは65万円(民間)、32万5,000円(アカデミック)で、25ユーザーは130万円(民間)、65万円(アカデミック)となっている。

 FQSでは、自社のホームページ(http://www.fqs.co.jp/CCS/SPRESI/trial_req.html)から申し込むことで、トライアル用のIDとパスワードを提供する用意をしており、DBの中身が自分の研究に役立つかどうかを吟味してから契約することが可能。これまでのDBサービスはデータ内容を確認できないものが多かっただけに、ユーザーにとってはメリットが大きいといえそうだ。