ヒューリンクスがクローニング研究ソフトを発売

米テキストコ社と総代理店契約締結

 2000.08.29−ヒューリンクスは、米テキストコ(本社・ニューハンプシャー州、ロバート.H.グロス社長)と総代理店契約を締結し、パソコン上で遺伝子のクローニング実験を行うためのソフトウエア「ジーンコンストラクションキット2(GCK2)」(商品名)を販売開始した。バイオの知識を持つ専門のサポート要員を採用し、すでにマニュアルの日本語化を行ったほか、プログラム自体の日本語化も進めている。同社は化学/医薬分野のパソコン版研究用ソフトを多数扱っているが、これを機に遺伝子/バイオ領域での事業展開を拡大させていく。

 GCK2は、もともとマッキントッシュ版のバイオ研究用ソフトだが、最近ウィンドウズ版が開発されて、ユーザーが拡大してきている。専門誌により4年連続でベスト・プラスミドマッピングソフトウエア賞を与えられた製品で、最新版は今年の2月にリリースされたもの。ヒューリンクスは、以前から販売権を有していたが、今回あらためて総代理店契約を結び、積極的に拡販に乗り出すことにした。

 とくに、豊富なグラフィック機能でDNAをわかりやすく操作できることが最大の特徴。遺伝子組み換えをディスプレー上でシミュレーションすることができるので、実際の組み換え実験を行う前に研究の方向性を確かめることに役立つ。

 DNAの操作では、挿入遺伝子およびベクターの制限酵素による切断と連結におけるDNA末端の自動調整機能があり、サイレント突然変異を導入してコード領域中の制限酵素認識部位をつくり出したり除いたりすることが可能。部分消化を含む制限酵素消化のゲル電気泳動パターンのシミュレーション、特定コドン表を使ったオープンリーディングフレーム(ORFs)の検索も行える。

 また、スライドやポスター、論文などのためのイラストレーション機能も備えており、分子生物学者にとって非常に便利なツールとなっている。

 遺伝子組み換えやゲノム中の遺伝子領域の探索などの研究に利用できるほか、遺伝子組み換えのメカニズムをわかりやすく教育することにも有効だという。

 ウィンドウズおよびマッキントッシュで動作し、ソフト価格は約27万円(教育機関向けは約19万円)。