理経がバイオインフォマティクス製品ラインを拡充

TSTおよび島津製作所と販売提携

 2000.07.10−ハイテク専門商社の理経は、バイオインフォマティクス事業を強化し、帝人システムテクノロジー(TST)および島津製作所と販売提携した。日米欧のゲノム研究分野で豊富な実績を持つコンパックコンピュータのアルファサーバーを核に、ソリューションを順次広げていく計画。今回は、TSTが販売権を持つ米タイムロジックの小型遺伝子解析システム「My DeCypher」と、島津製作所のDNAシーケンサー「RISA-384」を中心としたLIMS(ラボラトリー・インフォメーション・マネジメント・システム)を、大学官公庁や製薬会社向けに売り込んでいく。

 理経は、かずさDNA研究所のシステム構築を手がけた実績をテコに、昨年秋にバイオインフォマティクス専門部隊を発足させ、ホモロジー検索の定番のフリーソフトであるBLASTなどをプリインストールしたアルファサーバーを販売するほか、米ジーンフォマティックス社のたん白質機能解析データサービスも提供してきている。

 今回、TSTと代理店契約を結んで売り出す「My DeCypher」は、コンパックのウィンドウズNTサーバー「プロライアント」に米タイムロジック製の遺伝子解析アクセラレーターボードを装着してセッティングしたもので、デスクトップで高速な遺伝子情報解析が可能になる。500万円からの低価格を実現しており、大学や民間の研究室レベルで導入できるシステムとして普及を図っていく。

 一方、島津製作所の「RISA-384」は、1度の測定で384検体/23万塩基対を解析できるハイスループット型のマルチキャピラリーDNAシーケンサーで、ランニングコストが低く、パソコン一体型のため省スペースで操作も簡単なことが特徴。

 理経では、このシーケンサーから出力されたデータ管理を行うプロライアントサーバーを組み合わせ、「RISA-384 理経LIMSパック」という形で販売を行う。LIMSサーバーとして働くプロライアントは、ペンティアムVジーオン(800MHz)のデュアルプロセッサーで、RAIDコントローラー搭載、36ギガバイトのディスクを搭載した構成になっている。

 今回の2製品は、インテル系のNTサーバーを使った小規模システムだが、コンパックは上位機のアルファサーバーを利用した大規模ゲノムセンター向けで実績が高く、米セレーラジェノミックス、米インサイトファーマシューティカルといった先端企業や、英サンガーセンターなどの公的機関にも多数納入している。