シスコシステムズが無線LAN製品でリテール市場へ
中小企業市場攻略のため新販売戦略を導入
2000.08.30−シスコシステムズは、無線LAN製品「シスコ Aironet(エアロネット)340シリーズ」で新しい販売戦略を導入し、中小企業向けのリテールマーケットに本格的に進出する。大手パソコンディーラーであるダイワボウ情報システムとソフトバンクコマースの2社を認定ディストリビューターに起用し、両社のチャンネルを通して製品を広く市場に供給していく。9月から新しい販売網を本格的に始動させ、AVVIDアーキテクチャー対応LANスイッチの「Catalyst(カタリスト)3524-PWR XL」や、中小規模オフィス向けISDNルーター「Cisco 811/813」もこのルートに乗せていく。
これまで、シスコ製品は大企業向けに訪問セールス方式で販売されており、販売店になるためには認定技術者を養成したり、サポート用のラボを設けたりする必要があるなど、ハードルが高かった。年間数10億円の売り上げがないとペイできなかったという。
しかし、低価格な無線LAN製品などでは、店頭販売のリテール市場が重要であるほか、中小企業向け市場に本格的に進出するためには全国に多くの販売店を展開する必要があるとの判断から、今回の新しい販売方式を導入したもの。今後は製品卸元となる2社を通して、誰でも気軽に製品の供給が受けられるようになる。
同社の昨年度の中小企業向けビジネスは、国内の全社売り上げの1%に満たなかったが、今年度はそれを5%にまで高める計画だ。
さて、無線LAN製品「Aironet340」は、昨年買収したエアロネットコミュニケーションズ社の製品で、有線LANのハブに当たるアクセスポイント装置(16万9,000円)と、パソコンに装着できる無線LANカード(PCカードタイプ:3万4,000円、PCIカードタイプ:4万7,000円)から構成される。最大約40キロメートル離れたビル間を接続できる無線ブリッジ装置も用意されている。とくに、高速性・信頼性で競合製品よりも優れているという。
9月以降は全国のパソコンショップ店頭などでも販売されることになるとみられる。