日本オラクルがRDBMS最新エンタープライズ版をLinux対応

Linuxの本格的なビジネス需要に道

 2000.08.23−日本オラクルは、Linuxの本格的なビジネス需要に道をつけるため、基幹アプリケーション向けのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)最新版「Oracle 8i エンタープライズエディション for Linux リリース8.1.6」を8月30日から出荷開始すると発表した。ミッドレンジの「同ワークグループサーバー for Linux リリース8.1.6」も9月中旬から出荷する。同社がエンタープライズ版をLinuxに対応させたのは初めて。ソフト価格はウィンドウズ版と同じで、160万円(同時8ユーザー)から。

 オラクルは、昨年3月にOracle 8のワークグループサーバーをLinuxに移植したのを皮切りに、昨年末にはOracle 8i リリース8.1.5のワークグループサーバーを出荷するなど、Linux対応を順次進展させてきている。

 今回のリリース8.1.6は、今年の4月からソラリス、HP-UX、AIX、Tru64 UNIX、ウィンドウズNTでサポートされている最新版。オラクルは今後、Linux版の開発順位を高める考えで、例えば近く発表する予定の「インターネットアプリケーションサーバー」では主要UNIXおよびウィンドウズNTとの同時出荷を実現させるという。

 また、ターボリナックス、ミラクル・リナックス、レッド・ハットなどのディストリビューターがOracle 8i for Linux R8.1.6に最適化されたLinux OSをそれぞれ提供するほか、コンパック、日本IBM、NEC、日立製作所などの各ベンダーがハードウエア環境でバックアップする予定。

 記者会見で支持表明を述べたハードベンダー各社によると、現在のPCサーバーにおけるLinuxプリインストール機の出荷比率はそれぞれ10%に達していない模様。しかし、来年度は10%台の半ばから後半の比率に高まるという見方が支配的だった。

 現時点では、Linuxの用途はインターネットサーバーなどの通信関係に限られており、データベースサーバーのプラットホームに本格的に採用されるかどうかが、今後を占うポイントになりそうだ。