日本オラクルがインターネットアプリケーションサーバー

Oracle 8iとの連携機能で差別化

 2000.09.08−日本オラクルは7日、eビジネスを実現する機能を包括的に備えたインターネットアプリケーションサーバー製品「オラクル・インターネットアプリケーションサーバー8i」(Oracle iAS)の日本語版を9月27日から発売すると発表した。Java2 エンタープライズエディション(J2EE)フルサポートなどの基本機能に加え、ウェブ対応のデータベース(DB)サーバーとして高いシェアを誇る「Oracle 8i」との親和性・統合性を重視している。ソフトウエアのライセンス体系も刷新しており、価格はペンティアムV(500MHz)のPCサーバーの場合で50万円となっている。

 「Oracle iAS」は、Oracle 8iとの最適化を実現したインターネットアプリケーションサーバーで、企業内ポータルの構築からビジネスアプリケーションのウェブ化、外部の顧客/取引先とのeコマースの実施、移動中からのモバイルアクセスの実現、ビジネスインテリジェンスの実践など、インターネットアプリケーションの開発・実行に必要なさまざまな機能を統合している。

 Oracle 8iとの関係では、アプリケーションサーバー層にDBのキャッシュを作成し、ウェブからのアクセス効率を向上させる「データベースキャッシュ技術」を盛り込んだ。また、ソフトウエアを実行するエンジン部分はiASと8iで共通なので、通常はアプリケーション層に配置するビジネスロジックをDB層に持っていくことができる。三層アーキテクチャーのシステム全体でベストパフォーマンスを柔軟に引き出すことが可能になるという。さらに開発環境も共通なので、ソフト開発の生産性の向上が期待できる。

 iASの製品体系は、イントラネットから簡単なeコマースまでのドットコムスタートアップ企業向きのスタンダードエディション、大規模なウェブサイトやコマースサイトなど多数の利用者があることに対応したエンタープライズエディション、モバイル用途に対応させたワイヤレスエディション−の3種類に分かれている。エンタープライズエディションには、ビジネスインテリジェンス統合機能とDBキャッシュ機能が含まれている。

 対応OS(基本ソフト)は、サンのソラリス、ウィンドウズNT/2000、Linux、HPのHP-UX、IBMのAIX、コンパックのTru64UNIX。

 価格については、“ユニバーサルパワーユニットプライス”(UPU)と呼ばれる新方式を導入した。UPU数値をCPUの周波数と個数にかけあわせて金額を算定する方式で、スタンダードエディションのUPU数値は1,000円、エンタープライズエディションは同6,000円。例えば、ペンティアムVの500MHzを1個使用したPCサーバーの場合は、1,000円×500MHz×1個で50万円となる。UNIXマシンのRISCプロセッサーの場合は周波数が1.5倍されるので、SPARCの450MHzが2個のサンのサーバーでは、1,000円×450MHz×1.5×2個で、135万円ということになる。

 インターネットアプリケーションでは、ユーザー数を数えることはそもそも困難であり、またユーザーが少ないところから極端に多いところまでいろいろなサイトがある。このため、同時使用ユーザー数をベースにした従来のライセンス体系にそぐわなかったという。

 なお、ワイヤレスエディションについては、エンドユーザー数を把握できるので、200ユーザーで380万円からと従来方式の値付けとなっている。