日本SGIがLinux事業でビジネス市場強化へ

業界5社とグループ結成、ソリューションパッケージ提供

 2000.07.06−日本SGIは、Linux事業のビジネス分野への展開を強化するため、Linux分野の有力ソリューションベンダー、システムインテグレーターと提携し、“SGI Linux ソリューションズ・コミュニティー”を結成し、ニイウス(末貞郁夫社長)、UDBジャパン(目次徹也社長)、大塚商会(大塚実社長)、テンアートニ(角田好志社長)との5社によるアライアンス体制を構築した。今後、パートナーを拡大するとともに、システム構築からコンサルティング、教育サービスまでをパックしたソリューションパッケージ製品を毎月1本のペースで提供していく。SGIでは、Linux関連で初年度50億円の販売を見込んでいる。

 日本SGIは、インテル系サーバー向けにLinuxを独自に拡張した「SGI ProPack」を用意している。これはLinuxの開発コミュニティーに提案中の最新技術を先取りして盛り込んだLinux強化モジュールで、高機能と高い信頼性を実現している。今回、これに加え、Linux上で利用できる業務ソリューションを「SGI e-LinuxPack」の名称でシリーズ展開することにしたもの。

 具体的に今回発売するのは、インターネットを使ったeコマースを実現できる「SGI e-LinuxPack(EC1)」と、eビジネス対応のERP導入を可能にする「SGI e-LinuxPack(ERP1) Hyper SMILEα」の2製品。

 「EC1」は、IBMのリレーショナルデータベース管理システム「DB2ユニバーサルデータベース」(DB2 UDB)とウェブアプリケーションサーバー「WebSphere」を組み合わせたソリューションで、日本IBMと野村総合研究所の合弁であるニイウス、およびその100%出資子会社であるUDBジャパンが製品を提供し、大塚商会グループのテンアートニがシステム構築を請け負う。

 ハード・ソフト・サービス込みの標準構成価格は1,000万円で、初年度に300システムの販売を見込んでいる。これまでUNIXが得意としていた大規模eビジネスサーバー市場を狙っていく。

 一方の「ERP1」は、国内での出荷累計6万本の実績を持つ大塚商会のERPパッケージ「SMILEα」をLinuxに対応させたもの。標準構成価格は500万円で、同じく300システムの販売を見込んでいる。こちらは、ウィンドウズNTの置き換えをターゲットにしている。

 販売については、アライアンスしている各社のルート、ならびに日本SGIおよびその販売代理店網を利用して行っていく。

 なお、日本SGIでは、同ソリューションに最適なラックマウント型Linuxサーバー新型機「SGI 1450」も合わせて発表した。ペンティアムVジーオン(700MHz)プロセッサーを4個まで搭載でき、デュアルウルトラ160SCSI、64ビットPCI対応で、システム全体のスループットも高い。最大8ギガバイトの主記憶、182ギガバイトのディスク容量を備えているなど、ハイエンドクラスの拡張性が特徴。システムを停止させることなくメンテナンスや周辺機器の増設が行えるホットスワップ対応など運用性にも優れている。