コンテンツ配信サービスの新会社アクセリアが設立

全世界をカバー、先端研究成果を先駆けて実証実験へ

 2001.03.01−インターネットでコンテンツ配信サービスを手がける新会社「アクセリア」が設立され、3月1日からトライアルユーザーの募集を開始する。トラフィックを分散させ、ユーザーに近いところにサーバーを置くという観点から、自社のキャッシュサーバーを全世界に展開し、大容量のコンテンツをユーザーに効率よく配信するサービスを回線事業者(キャリア)やISP(インターネットサービスプロバイダー)などに提供していく。4月からの実質初年度で4億円の売り上げを見込んでおり、3期目から黒字転換を図るとしている。

 アクセリアは、インターネット関連の技術研究などを行っている産学共同組織「WIDEプロジェクト」に関与している一部のメンバーが、自分たちの研究成果をビジネスで実践したいと考えて設立した企業。牧野顕道社長以下、奈良先端科学技術大学院大学の門林雄基助教授、倉敷芸術科学大学の小林和真助教授、慶應義塾大学の南政樹講師らが設立に関与している。資本金は1億3,700万円で、本社は東京都千代田区二番町12−13、セブネスビルに本社を置いている。社員数は15名で、電話は03-5211-7750。

 同社が提供するのは「Dura Site(デュラサイト)」と名付けられたコンテンツ配信サービスで、負荷分散させる拠点をアジアを中心にアメリカ・ヨーロッパ・オセアニアまでのワールドワイドに展開する。これらをキャッシュサーバーとして働かせ、オリジナルのウェブサーバーに集中する負荷を分散させることで、エンドユーザーに常に快適なアクセスを提供しようという仕組みだ。

 まずは国内に4サーバーを設置し、次いで香港、オーストラリア、さらに米国、欧州へと年内に拠点を増設していく。

 3月から開始するトライアルサービスは、国内の4サーバーを利用したもので、料金は月額50万円から。4月からは順次世界にサービスを広げていく計画である。実質初年度の売り上げ計画4億円のうち、4割は海外からの収入を見込んでいる。契約対象は回線事業者やISP、IDC(インターネットデータセンター)、CSP(コンテンツサービスプロバイダー)などで、初年度に135社との契約を目指している。

 同社では、大学・研究機関とのパイプを生かし、先端技術を先駆けて研究・検証・導入していくことにしており、大容量のコンテンツ配信に有効とされるIPv6などの実証実験を積極的に進める計画。コンテンツ配信の課金モデルに関してもキールネットワークス(本社・東京都港区、櫻井智明社長)と共同研究を行っていく。