ＣＣＳ特集：ケムインフォマティクス系

アダムネット

　2001.05.25−アダムネットは、米デイライトのケムインフォマティクスシステムの販売に力を入れている。デイライトは化学データベース（DB）アプリケーションの柔軟な開発環境を備えたシステムで、ユーザーカスタマイズの自由さで評価が高い。昨年には、リレーショナルDB管理システムの業界標準であるオラクル向けのデータカートリッジ技術をリリースした。同社でもスタッフを増員して販売体制を強化していくことにしている。

　デイライト製品は、カスタマイズのツールが非常に充実しているのが特徴で、MDLのISISなどの基幹系の化学DBシステムで対応しにくい小回りのきいたニッチ的なアプリケーションで活躍することが多い。コストパフォーマンスに優れており、コンビナトリアルケミストリーのクラスタリング機能などデイライトならではの強みを数多く備えている。

　昨年に新発売されたオラクルデータカートリッジ対応技術「DayCart」は、オラクル自体に化学構造などを管理する機能を組み込むためのツールキットで、欧米ではすでに5−6件の導入実績をあげているという。大手製薬会社のノバルティスがビッグユーザーであり、DayCartの開発にもノバルティスの要望やノウハウが盛り込まれているようだ。

　データカートリッジに対応することによって、DBサーバー側は完全にオラクルの世界となるため、開発や運用、メンテナンスなどが行いやすくなるというメリットがある。

　一方、アダムネットが扱っているもう一つの主力製品が米バイオバイトのlogP推算プログラム「CLogP」。昨年に最新アルゴリズムを搭載したバージョン4.0が発売され、製薬会社などから活発な引き合いがあった。とくに、環境省の排水などの規制に絡んで、このソフトで計算したlogP値を申請に用いることができるように指定されたことから、最近は幅広い企業が関心を示しているという。