CCS特集:バイオインフォマティクス系

CRC総合研究所

 2001.05.25−CRC総合研究所は、米ウエーブファンクション社の分子モデリングシステム「SPARTAN」を中心にCCS事業を展開してきたが、遺伝子/バイオ関連のIT(情報技術)市場の隆盛を受けて、今年の1月にバイオインフォマティクス推進チームを正式に発足させた。親会社である伊藤忠商事のバイオビジネス開発部門とも連携し、海外からの情報収集・事業企画を進めてきている。同社はもともと科学技術の計算機インフラのリソースセンターとしての長年の実績があり、将来的にはバイオインフォマティクスの総合ITサービスセンター設立を構想している。

 バイオインフォマティクス推進チームは、化学、ゲノム、たん白質などの領域を網羅するITビジネスをターゲットにしており、すでに行っている臨床試験や医療情報を含めたライフサイエンス市場全般での幅広い事業展開を計画している。センター構想も今夏には具体化させる。

 このほど、JBICにも加盟し、各種政府関連などのプロジェクトへの参画も積極的に狙っていく考えだ。

 また、CCS分野における国内でのソフト開発、パッケージ開発も再開する予定。第1弾として、DNAマイクロアレイの発現データ解析ソフトを秋に製品化することを目指している。ある大学と共同開発中であり、海外の既存ソフトでいまだ不十分とされる機能を盛り込んでいきたいということだ。

 一方、SPARTANは大学の教育用途で好調で、弘前大学、明治大学、東京工業大学など実際の授業に採用される実績が出てきた。パソコンの性能向上で、分子軌道法が身近になったことが大きいようだ。教科書も揃ってきており、大学の情報教育強化のトレンドにも乗っている。

 今年は、大学向けで好評だったオンサイト体験セミナーを企業向けにも開催していく計画を立てており、1年後にはその成果が期待される。