CCS特集:総合系

CTCラボラトリーシステムズ

 2001.05.25−CTCラボラトリーシステムズは、研究開発分野を中心とした製薬会社向けのトータルソリューションで独特の強みを発揮しており、ユーザーの総合的なニーズに応えてケムインフォマティクス、バイオインフォマティクス分野の情報技術(IT)の提供から、化合物ライブラリーや遺伝子クローンの販売まで手広く事業を展開している。

 同社は、今年の機構改革でこれまでバイオインフォとケムインフォに分かれていた組織をあらためて統合した。これは、データベース(DB)システムを生物系と化学系に分けるのではなく、すべての情報を創薬の観点で総合的に活用したいという方向に変化しつつあるユーザーニーズを先取りしたもの。1年後にはその成果がはっきりとあらわれてくるのではないかとしている。

 バイオインフォの主力は独ライオンバイオサイエンス社の製品で、国内で13社(公的研究機関を含む)の導入実績がある。ゲノム関連のインフラとして採用される例が多い。また、プロテオーム社のプロテオームDBも内容が充実してきたことで販売に弾みがつき始めているという。

 DBシステムでは、化学系でMDLの「ISIS」、生物系でIDBSの「アクティビティベース」とそれぞれ業界標準的なシステムを擁している。ともにオラクルをベースにしているため、コンサルティングを含めた形でシステム構築を行い、創薬のデータウエアハウス(DWH)としてインテグレーションするビジネスも手がけている。

 一方、こうしたいわばドライ系のITシステムに加えて、ウェット系の事業にも乗り出した。1つは、マイクロアレイの発現解析用に最適化されたcDNAクローンのライブラリー「arrayTAG」で、ライオンが社内で製作して製品化したもの。マウスとラットと犬があり、マウスの遺伝子は2万種をそろえている。製品は大腸菌の形で提供されるので、ユーザーは何度でも培養して利用することが可能だ。2つ目はHTS用の45万種の化合物ライブラリー「ChemFolio」で、ライオンが昨年の12月に買収した米トレガ社の製品。

 このほか、同社はシーベル社製MR活動支援システムの販売にも取り組んでいる。