CCS特集:バイオインフォマティクス系

富士通九州システムエンジニアリング

 2001.05.25−富士通九州システムエンジニアリング(FQS)は、1986年にCCS事業に進出、2年前からはバイオインフォマティクスに事業の主軸を移してきている。九州はバイオテクノロジー研究が盛んな土地でもあり、この分野の特異なノウハウを持つ地元のIT(情報技術)ベンダーとしてユニークなポジションを確立している。

 現在、同社のCCS関連事業は、バイオインフォマティクスを中心としたシステムインテグレーション(SI)サービス、富士通のCCS製品の販売、海外のCCS製品の輸入販売、バイオ関連の独自開発製品の販売などから構成されている。

 海外製品では、アクセルリス(モレキュラーシミュレーションズ)やMDL(バイルシュタイン)などのシステムを扱っているが、昨年に大きく伸びたのはやはりバイオ系のSIサービスだったという。

 SI案件は、富士通経由とFQS独自に受注したものが半々で、富士通経由はミレニアム予算などの政府関係の大型プロジェクトが多いが、FQS独自のものは大学関係や民間の製薬会社などが中心になっている。

 バイオ研究の場合、ユーザーはゲノムという大量の一次データのなかから、いかに自分たちに有用な情報を解析して取り出すかに関心がある。しかし、それにともなうデータ管理やデータマイニングの具体的ニーズは個々のユーザーによって異なるため、同社としては細かいところに手が届くようなシステム開発に力を入れているのだという。

 そうした開発経験のなかからパッケージ化につながったケースとして、6月ころにアノテーションツールを製品化する予定がある。

 また、プロジェクトの公募にも積極的で、昨年度はNEDOのP450データベース構築、JSTの人工たん白質デザインツールのプロジェクトが終了した。現在は九州大学と共同でDNAチップ関連のプロジェクトを応募中だという。